1万年前から食べられてきたお米

お米、即ちイネは世界三大穀物に数えられており、古来より人間にとっては重要な食物の一つでした。稲作が最初に始まったのは、約1万年前の長江流域、現在の湖南省周辺だと考えられています。
イネの栽培種にはアジア栽培イネとアフリカ栽培イネがあり、前者はジャポニカ種とインディカ種に分けられます。野生のイネからまずジャポニカ種の系統が誕生し、その後交配が繰り返された結果インディカ種の系統が生まれたと考えられています。

佐賀県唐津市にある菜畑遺跡には水田の痕跡があり、日本では約2700年前には水稲耕作が行われていたことがわかっています。一方、岡山県灘崎町の彦崎貝塚では約6000年前の地層からイネの細胞成分が見つかっており、縄文時代前期には稲作が行われていたという説もあります。
なお、日本に野生のイネが分布していた形跡は見つかっておらず、大陸から伝えられたと考えられています。その経路については長江下流域の江南地方から九州に直接伝わったという説や、朝鮮半島を経由して伝わったとする説、南西諸島を経由したとする説など複数の説が存在します。

お米には、炭水化物やビタミンB1、タンパク質といった多くの栄養価が含まれています。収穫されたイネから籾殻を除去したものを玄米と言い、玄米を精米して糠層と胚芽を取り除いたものを白米と言います。
一般的に日本人は食感が良い白米を食すことが多いですが、栄養価は玄米の方が高く、玄米のほうが血糖値が上昇しにくいと言われています。そのため健康に気を使い、玄米を食す人も増えています。

なお、お米の産地で暮らしたいというサイトにはお米に関する興味深い情報が掲載されているので、ぜひ読んでみてください。